起立性調節障害

朝起きれないのは甘え?理解されにくい起立性調節障害の症状

『子どもの寝起きが悪く、学校に通えていない..』

『起立性調節障害はどんな症状があるの?』

起立性調節障害は症状が多様であるため、なかなか診断がつかず治療が遅れることがある病気です。

また本人からの訴えでしか判断できない症状が多く、午後や夜に元気になることから怠けや学校のサボりと捉えられることがあります。

本人では解決できない問題なのに、『サボり』と決めつけた声かけは、本人を傷つけてしまい、不登校などの状況が悪化する可能性があります。

この病気の改善には理解してくれる周囲の人たちのサポートが必要です。

今回は起立性調節障害の症状について解説し、疾患への理解を深めてもらえればと思います。

起立性調節障害の症状

以下、起立性調節障害で起こりやすい症状について解説していきます。

立ちくらみ

急に立ち上がるとクラクラし、とくに午前中に起こることが多く、風呂から上がるときにも注意が必要です。

場合によっては失神することもあります。

頭痛

朝起きた時から頭が痛みはじめますが、午後になるにつれて楽になってきます。

片頭痛のようなズキズキとした痛みや、頭が重く感じることもあるようです。

朝に起きられない

自分では起きようと思っても身体を起こすことができません。

起きることができても身体がだるく動くことが出来なかったり、気分が悪いため食欲も湧かないこともしばしばあります。

午後になるにつれて、症状は軽くなり身体の調子も良くなってきます。

寝つき悪い

夜になっても目が冴えてしまって、なかなか眠ることができません。

立っていると気分が悪くなる

電車での立った状態での移動や、朝礼など立位の状態が続いてしまうと、気分が悪くなります。

この病気は午前中に症状が強く出ることが多く、午後になると軽減もしくは消失していくことも特徴です。

夜の寝つきが悪いためTVなどを見てしまい、朝もなかなか起きれないことから、夜更かしの朝寝坊、怠け者、という印象を持たれてしまいます。

しかし、これらの症状は自分の意思でコントロールできるものではありません。

上記の症状が3つ以上、強い症状が2つ以上ある場合、一度病院に受診し、診察・検査をしてもらうと良いでしょう

 

起立性調節障害で 朝が起きられないメカニズム

この病気は自律神経の調節が乱れることで起こります。

自律神経の1日のリズムが決まっており、朝は交感神経が活動し身体を活発化、夜になると副交感神経が活動し、身体を休ませてくれるのが正常のリズムです。

起立性調節障害では、交感神経が活動する時間が昼過ぎにズレてしまうため、朝は休息している状態のままとなってしまい、起きれなくなってしまいます。

それに合わせて、深夜になっても寝つきが悪くなってしまうのは、身体を活性化させる交感神経の活動が収まらないためです。

自律神経の乱れは、生活リズムの乱れ、環境によるストレスなど複合的に原因があります。

また糖質過多の食事で、鉄やタンパク質、ビタミンB群などの栄養素の不足すると、身体のエネルギーが足りず、だるさや頭痛、意欲の低下などを引き起こします。

特に思春期に発症しやすい病気ですが、様々な身体の変化・成長が始まる時期であることも影響していると考えられています。

 

起立性調整障害の改善のポイント

起立性調節障害は、薬での改善が見込めない場合が多いため、まず日常生活の改善から取り組んでいきます。

1日に水分を2L、塩分10gを目安に摂る

この病気を持っている人は循環している血液量が少ないため、量を増やすために積極的に補充をしましょう。

具体的には、水分は食事以外で2L、塩分は食事を含め摂取するのが目安です。

朝食を外すとその分の塩分が不足してしまうため、意識して塩分を摂る必要があります。

食事の内容を見直す

特に思春期では身体の成長に伴い、鉄やタンパク質、ビタミンB群が不足しがちです。

肉や卵、豆腐などタンパク質を積極的に摂る食生活にシフトし、米・パン・お菓子などの糖質の量を抑えることを心がけましょう。

早めに就寝する

自律神経は姿勢にあうように調節しようとするため、寝る姿勢をとることは活動リズムを整えるのに有効です。

なかなか寝付けないかもしれませんが、無理に眠ろうと思わずに身体や眼を休めると考え、布団に入り目を瞑りましょう。

起立する時はゆっくり立ち、長時間の立位は避ける

立ち上がる時はうつむきながら立ち、最後に頭をあげることを意識しましょう。

また立位は長時間続くと、下半身に血液がたまってしまい、脳にいく血液が不足してしまいます。

どうしても立つ時間が長くなってしまう時は、足を動かしたり、足をクロスさせると良いでしょう。

ストレスコントロールをする

自律神経系の疾患は心の影響を受けやすいため、ストレスは症状悪化の要因となります。

症状がひどく、学校にいけないことで1番辛いのは子ども本人です。

周囲の人たちが『頑張っているね』と認めてあげることで、その子はとても安心できます。

心に負担がかからないよう、”午後からの登校する” ”部活動ならいける”など、学校とも連携し見守ってあげましょう。

まとめ

今回は起立性調節障害の症状について解説を行いました。

この病気の症状は、『朝起きることができない』『食欲がない』など、朝に強く現れ、夕方になると調子が戻ってくる特徴があります。

その特徴から周りの人たちから、「サボり」「怠け癖」など誤解をうけることが多いですが、身体の疾患であり本人では解決できない問題です。

周りの家族や学校が”一番辛いのは本人である”と理解し、できることから少しづつ行っていくことで症状は改善していきます。

子どもの気持ちの問題であると決めつけず、まずはしっかり話をきいてあげましょう。

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