40歳を超えると発症しやすくなってくる更年期障害。近年、更年期障害に悩む方が増えてきています。
ところで更年期障害とうつ病の症状が似ていることをご存じでしょうか?
実は更年期障害でもうつ病のように気分が落ち込んでしまうことがあり、精神的に乱れてしまうことがあるのです。
この記事では、更年期障害とうつ病の違いを詳しく解説していきます。ぜひ、ご覧ください。
更年期障害とうつ病の違い
更年期障害はうつ病に似ている症状を出現することがあります。
更年期障害の一部に抑うつの症状があるほか、更年期の時期にうつ病を発症することもあるのです。
ここでは原因・症状・治療の3つのパートの分けてそれぞれの違いについて解説していきましょう。
原因
それぞれの疾患の原因は以下の通りです。
更年期障害 | 女性ホルモンの低下 |
うつ病 | 神経伝達物質の低下、伝達異常 |
更年期障害は女性の閉経の前後5年間、つまり45~55歳に発症しやすいのが特徴です。
閉経に伴って女性ホルモンのバランスが急激に乱れることによって、更年期障害を発症するといわれています。
もちろん全ての女性が更年期障害を発症するわけではありません。しかし、近年では徐々に患者数が増え日常生活に支障をきたしている女性も増加してきています。
一方、うつ病は30~70歳の女性に発生しやすいようです。女性ホルモンの低下ではなく、脳の神経細胞の伝達にかかわる神経伝達物質のバランスが乱れることによって発生するといわれています。
食生活や大きなストレス、過労、出産などをきっかけうつ病になってしまう女性が多いです。ちなみに女性は男性の1.6倍うつ病になりやすいと言われています。
その背景には月経が関係しているという説が有力。毎月一定量の血液を失ってしまうため、体内に貯蔵している鉄(フェリチン)が低下してしまうためです。
症状
更年期障害とうつ病の違いは以下のようなものです。
更年期障害 | ほてり、めまい、発汗、動機、抑うつなど |
うつ病 | 無関心、気分の落ち込み、意欲低下、無気力、集中力低下 |
更年期障害では、ホットフラッシュ(ほてり)や発汗などが起こるのが特徴ですが、時折精神的症状が主体で出ることもあります。
言われる抑うつというものです。抑うつとは、「気分が落ち込んで活動を嫌っている状態」のこと。
つまり、意欲が低下しいろんなことに積極的ではなくなってしまう状態を言います。
うつ病でもこれと同じような状態に陥ることがあり、更年期障害はとうつ病を間違えていますことがあるのです。
場合によっては自分で鑑別が難しいこともあるため、専門機関を受診することが重要です。
治療
更年期障害とうつ病の治療は以下のような違いがあります。
更年期障害 | ホルモン補充療法、運動療法、カウンセリング |
うつ病 | 休養、環境の整備、薬物療法、カウンセリング |
更年期障害は女性ホルモン低下が原因である場合が多いため、ホルモンバランスを安定させるための治療が中心になります。
一方でうつ病は脳の神経伝達物質のバランスが乱れているのが原因。そのため、薬物療法を主体としてアプローチしていきます。
近年では体内のフェリチン(貯蔵鉄)とうつ病の関連性が示唆されており、サプリメントを用いた治療を積極的に行っている病院もあるようです。
どのような病院を受診すればいいの?
更年期障害とうつ病は自分での鑑別はなかなか難しいため、専門機関への受診をおすすめします。では、どのような病院へいけばいいのでしょうか?
おすすめは婦人科です。婦人科は女性特有の症状を総合的に診察してくれる診療科であり、更年期障害とうつ病の鑑別も行ってくれます。
そのため迷ったらまずは婦人科に行くのが良いでしょう。
また、もしも近くに更年期外来があればそちらもおすすめです。更年期に特化した診療科であるため、うつ病との鑑別も可能です。
「地域+婦人科」もしくは「地域名+更年期外来」と検索されば、近隣の病院が出てきますのでぜひ確認してみましょう。
まとめ
更年期障害とうつ病は場合によっては症状が似ているため自分で鑑別することが難しい場合もあります。
更年期障害だと思い込み対策をしていたら、実はうつ病だったということも実際にある話です。こうなってしまうと改善が遅くなってしまうだけでなく、治りそのものも悪くなってしまいます。
そのため、自分で判断するのではなく専門機関を受診するのが得策ですよ。