『ぎっくり腰の痛みがトラウマになっている...』
ぎっくり腰は重いものを持ち上げたり、腰をひねるなど腰に負担のかかる動作をきっかけに急激な腰の痛みを発症する病気です。
『魔女の一撃』ともいわれる激痛を経験した方のなかには、『もう痛みが完全におさまるまで動きたくない』と考える方も少なくありません。
しかし、過度な安静をとることは症状の改善を遅らせ、再発の危険性もあがることにつながります。
今回はぎっくり腰になった後、いつまで安静にしていたらいいのか、また腰に負担を減らす日常動作について紹介します。
ぎっくり腰になったら、いつまで安静にしたらいいの?
安静に過ごす目安として、ぎっくり腰になって2〜3日間は安静に過ごしましょう。
この期間は『痛みは残っているが、多少は動ける』という状況なので、できればお仕事もお休みをもらい回復に努めることをおすすめします。
4日目以降は、比較的腰の痛みが和らいでくるので、少しずつ普段の生活を意識して過ごしていきましょう。
過度な安静のデメリット
ぎっくり腰の発症直後は
「あまりの痛みで膝から崩れ落ちた」
「冷や汗が止まらず、立ち上がれない」
という体験談が聞かれるほど、腰に強烈な痛みを襲うため、痛みへの恐怖心が残り「動くのが怖い!」と思われる気持ちも大変理解できます。
しかし過度な安静は、下記のようなデメリットを生じる可能性があります。
- 身体を動かさないことで、腰の筋肉が固くなり疲労物質が溜まりやすくなる
- ベッドで安静にすることで1日1〜3%の最大筋力が低下する
これらのデメリットが影響し、過度な安静をとることは、ぎっくり腰の回復を遅らせ、再発のリスクをあげることに繋がるのです。
多くの研究でも、多少の痛みを感じつつも普段の生活を過ごしていた方が、症状の回復も早く、再発もしずらいという結果がでています。
無理は禁物ですが、痛みと上手に付き合いつつ普段の生活を意識して過ごしていくことが大切です。
腰の負担を減らす日常動作について
『痛みが和らいだら、普段の生活を意識したほうが良いことはわかった』
『それでも痛みを感じにくい方法はないか?』
腰の痛みを感じにくくするためには、腰への負担を減らす日常動作を行うことが必要です。
腰への負担を減らす日常動作は下記のようなものがあります。
- 朝起きるときは身体をほぐしてから
- 腰を折るような姿勢は厳禁
- 座る時は背当てに腰がつくまで深く腰掛ける
- コルセットの使用も検討する
- 気持ちに余裕も持って過ごすことも大切
朝起きるときは身体をほぐしてから
朝起きるときは、すぐに起き上がるのではなく、布団の中で身体を丸めるなど身体をほぐしてから起きるようにしましょう。
横向きから肩肘をつき、腕の力でゆっくり起き上がると腰の負担を抑えることができます。
腰を折るような姿勢は厳禁
腰を折り、前屈みになるような動作は腰に負担がかかります。
床のものを拾ったり、顔を洗うときなどは、腰を折る角度を抑え、一緒に膝を曲げて行うようにしましょう。
また、猫背など姿勢が悪いと腰に負担がかかってしまうため、姿勢を正しくすることを心がけることも大切です。
座る時は背当てに腰がつくまで深く腰掛ける
椅子に座りパソコンの作業や読書を行うときなど、いつの間にか前傾姿勢になっていることありませんか?
前傾姿勢など、座るときの姿勢が悪いと腰への負担が大きくなります。
椅子に深く腰をかけて、背当てに腰をつけることを意識しましょう。
姿勢は癖のようなものなので、背当てに腰がついてないと感じたら、再度姿勢を正すように繰り返し行い、意識づけを行っていくことが大切です。
コルセットの使用も検討する
コルセットはつけることで腰の痛みが和らぐという方は多いです。
『コルセットを使用することで、筋力が低下する』とも言われていますが1〜2週間の使用では問題はありません。
コルセットはつけることで安心感が生まれて、気持ちにも余裕がでてきます。
しかし、安心感があるために、改善した後もなかなか外せないという方もいますが、痛みの程度に応じて、徐々に外すようにしていきましょう。
気持ちに余裕も持って過ごすことも大切
ぎっくり腰になると、日常生活や仕事などできることが制限されてしまいます。
そのことで自分を責めてしまったり、ストレスを感じることもあると少なくと思います。
しかし、ストレスは腰痛の原因のひとつとして挙げられており、ぎっくり腰の回復にも悪影響を及ぼします。
こういう緊急事態の時こそ周囲の人に甘え、力を貸していただきましょう。
そして全力で回復に努めて、1日でも早く万全な状態で復帰することが、周囲の方や職場の方への恩返しとなるはずです。
安静にしていても、症状が改善しない場合
安静に過ごしていたのに、全く症状が改善しない時は腰痛以外の病気が隠れている場合があります。
腰痛に加えて、下記のような症状があった場合は医療機関に受診するようにしましょう。
- 発熱や吐き気が続く
- 2〜3日経過しても痛みが軽減しない
- 痛みが軽減するような楽な姿勢が見つからない
- 脚に痺れがある
- うずくような痛みが続いている
骨や神経、内臓などの影響が出ていることがあるため、注意が必要です。
まとめ
今回はぎっくり腰を発症した後の安静期間について、また腰の負担を減らす日常動作について紹介しました。
ぎっくり腰を発症し、痛みが強い2〜3日間は仕事も休み安静に過ごすことが大切です。
その後痛みが和らいできたら、少しずつ普段の生活を意識して過ごすようにしましょう。
過度な安静は筋肉を固くするなど、デメリットがあるためコルセットなどを使用し、多少の痛みと上手く付き合っていくことが大切です。
また症状が改善しない場合など、病院に受診したほうが良いケースもあります。
自身の身体の状態をしっかり把握しつつ、適切な行動を起こすようにしましょう。