40歳以降の3人に1人が抱えているといわれる腰痛。
その腰痛の中でも椎間板ヘルニアは腰の痛みだけでなく、しびれを伴う非常に不快な疾患です。
場合によっては手術を選択しなければいけないこともあり、そうならないようにしっかりと治療を重ねなければいけません。
しかし、中にはなかなか症状が取れず「手術をした方が良いのかな…」と不安になってしまう方もいらっしゃいます。
そこで本記事では、腰椎椎間板ヘルニアの手術をした方が良いケースとタイミングについて解説していきます。
椎間板ヘルニアの手術を検討している方、もしくはなかなか症状が治らない…という方はぜひご覧ください。
椎間板ヘルニアの手術をした方が良いケースとタイミング
椎間板ヘルニアの手術を考える上でまずは状態を2つに分ける必要があります。
- 手術が必要なケース
- 手術の絶対適応ではないが、手術をするケース
ひとつずつ解説していきます。
手術が必要なケース
椎間板ヘルニアの中には手術をした方が良いというケースがあります。代表的なのは以下の2つのケースです。
- 膀胱直腸障害が重篤かつ急速に出現した
- 神経根の脱落症状が出ている
膀胱直腸障害とは、つまり尿や便の排泄がうまくいかないという障害のこと。
椎間板ヘルニアは神経を圧迫し、痛みやしびれを起こしますが、ときおり尿や便を排泄するための神経も圧迫してしまうことがあります。
神経の圧迫によって急速に排泄機能に異常がでてしまった場合は手術をしなければいけません。椎間板ヘルニアの中でもかなり重篤な状態です。
また、神経根の脱落症状というのは「神経が圧迫されて、機能がなくなってしまう」というもの。例えば足があまり動かないといった症状です。
痛みやしびれだけでなく、足があまり動かないような状態は手術をした方が良いでしょう。
ちなみに緊急性でいうと膀胱直腸障害の方がはるかに高いです。場合によっては緊急手術も必要なため、万が一このような症状が現れた際にはすぐに病院へ行きましょう。
手術の絶対適応ではないが、手術をするケース
椎間板ヘルニアは手術を選択しないケースの方が圧倒的に多いです。
しかし、さまざまな状況により「手術の絶対適応ではないが、手術を選択するケース」が存在します。
具体的には以下のような状態です。
- 足が動かしにくい(中度の神経根脱落症状)
- 保存療法が効かないケース
- 早期の症状回復と職場復帰を希望するケース
基本的にはこれらの症状がどの程度日常生活に支障をきたしているかで手術をするかしないかを判断していきます。
痛みを抱えながらも手術を選択しない方もいますし、重篤な症状ではないにせよ早期の回復を目指して手術をする方もいるのです。
先述した手術を必要とするケース以外では、さまざまなことを総合的に考慮して手術をするか否かが判断されます。自分の環境や保存療法でどの程度回復が見込めるのかを考えながら検討することが必要です。
椎間板ヘルニアは手術と保存療法どちらを選択すべき?
ここからは手術と保存療法を比較していきたいと思います。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、詳しく見ていきましょう。
▼手術と保存療法の比較
手術 | 保存療法 | |
費用 | 25〜70万円 | 1,000〜3,000円/1回 (おおよその金額) |
メリット | ・症状が急速に回復する可能性あり ・職場復帰が早い ・辛い痛みから解放される |
・費用がかからない ・手術失敗のリスクがない |
デメリット | ・必ず症状が取れるわけでない ・術後のリハビリは必須 |
・症状がいつまでも残るケースもある |
ココに注意
手術と保存療法の比較のひとつに再手術率という考え方があります。手術をしたとしても再び、手術になってしまう確率は5年で4〜15%程度。
また、手術と保存療法は長期間経過すればするほど症状改善の差があまりなくなってきます。しかし、職場復帰の速さや症状が回復する速度が早い傾向にあるのもまた事実。
医師と相談しながら慎重に検討する必要があるのです。
まとめ
椎間板ヘルニアで手術を検討するかどうかの判断は余程の状態でない限り、患者さん本人に委ねられます。
手術のメリットもあれば、保存療法のメリットもあるためどちらを選択するか慎重に考えましょう。
もし手術はしたくないというのではあれば整骨院や整骨院での積極的な治療もおすすめです。当院では、椎間板ヘルニアに苦しんでいる方も多数来院されているのでぜひご相談ください。