変形性膝関節症の治療法には、保存療法と手術療法があります。
関節を人工関節に置き換えたり、膝の骨を切って膝の変形を矯正したりといった手術を行うのが手術療法。
一方の保存療法では、手術はせずに、運動療法や痛み止めの薬で症状を緩和させます。
症状が相当の重度でなければ、まず取り組みたいのが運動療法です。
そこで今回は「運動療法とは何か」や「おすすめの運動療法」について紹介します。
そもそも運動療法とは?
運動療法とは「適切な運動をすることで、機能障害の改善・回復・予防を目指すこと」です。
変形性膝関節症の治療だけではなく、糖尿病や高血圧などの治療にも用いられています。
用いられる運動療法の種類は、病気や症状に合わせて、有酸素運動、無酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチなどさまざま。
変形性膝関節症の治療では、膝周りの筋力トレーニングやストレッチ、有酸素運動(ウォーキングなど)が取り入れられます。
効果は主に「筋力アップ」「硬くなった筋肉をほぐす」「関節の動きを良くする」など。
次から、具体的なトレーニング法を紹介します。
変形性膝関節症に効果的な2つのトレーニング
「膝周りの筋肉を鍛えて膝への負担を軽減するための筋トレ」と「膝関節の動きを改善するためのトレーニング」を紹介します。
ハードなトレーニングではないので、どなたでも自宅で簡単に実践できるはずです。
無理な運動は症状悪化につながるので、動作はゆっくりと、まずは少ない回数から始めてください。
毎日続け、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。
太もものトレーニング
膝を支える太ももの筋肉を鍛えるトレーニングです。
前太ももの筋肉を意識し、息は止めずにゆっくりと行ってください。
- イスに深く座る
- 片足を地面と水平まで持ち上げる
- つま先を天井に向けたまま5秒キープ
- 元に戻す
膝の動きを改善するトレーニング
膝の曲げ伸ばしを改善するトレーニングです。
無理のない範囲でゆっくり行い、できるだけ膝を曲げられるよう頑張ってみましょう。
- 床に脚を伸ばして座る
- かかとの下にタオルを置く
- タオルを引きずるようにかかとをお尻に近づけ、膝を曲げていく
- 元に戻す
変形性膝関節症で薬物療法をする際の注意点
運動療法とともに、痛み止めの薬や注射で腫れや痛みを抑える「薬物療法」が行われることがあります。
薬物療法を受けるときに理解しておきたいのは、「薬物療法は、あくまで対症療法である」ということ。
薬を飲んだり注射を打ってもらったりすれば痛みはかなり改善されますが、膝関節や筋肉の状態そのものがよくなったわけではありません。
薬の効果が切れてしまえば、また膝が痛むことでしょう。
薬で痛みがなくなったからといって油断せず、日々の運動療法は継続する必要があります。
まとめ
変形性膝関節症の治療法には、運動療法や薬物療法などの「保存療法」と、手術を行う「手術療法」があります。
運動療法では、運動を行うことで症状の改善や予防を目指します。
変形性膝関節症の運動療法で多く取り入れられるのは、膝周りの筋力トレーニングやストレッチ、ウォーキングなど。
ハードな運動をする必要はなく、無理のない範囲でゆっくりと、継続して実践することが大切です。
薬物療法を受ける場合も、痛みがなくなったからといって運動療法をやめるのはNG。
薬物療法で痛みが消えても、膝や筋肉の状態が改善したわけではないので、運動療法はしっかりと続けてくださいね。