変形性膝関節症の対策には、膝の曲げ伸ばしに関わる筋肉を鍛えることが大切です。
大腿四頭筋とハムストリングスという二つの筋肉をトレーニングすることで、膝関節への負担を和らげる効果が期待できます。
膝が痛いと「動きたくない」「トレーニングや運動なんて、できるわけがない」と思ってしまいますが、運動不足になると、ますます膝痛がひどくなる可能性も。
そこで今回は、室内で、無理なく簡単にできる運動を紹介します。
変形性膝関節症で鍛えるべき筋肉
変形性膝関節症の人に鍛えてほしい筋肉は、太もも前側の「大腿四頭筋」と、太もも裏側の「ハムストリングス」です。
それぞれ、どんな役割がある筋肉なのかを紹介します。
◆大腿四頭筋
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前側にある「大腿ち直筋」「内側広筋」「中間広筋」「外側広筋」という4つの筋肉のことです。
これら4つの筋肉は、膝を伸ばす働きを担っています。
大腿四頭筋を鍛えると歩くときの膝関節への負荷が減るので、変形性膝関節症の人にとって、大腿四頭筋のトレーニングは重要なのです。
◆ハムストリングス
太ももの裏側にある「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」という3つの筋肉の総称が、ハムストリングス。
ハムストリングスは、膝を曲げるときに使います。
運動不足でハムストリングスが衰えると、膝の曲げ伸ばしに支障が出て、歩いたり階段を昇り降りしたりといった日常動作で痛みを感じる原因になります。
変形性膝関節症におすすめの運動療法
「座って」または「うつぶせで」できる、オススメのトレーニング方法を紹介します。
大腿四頭筋トレーニング
椅子に座って行う方法と、床に座って行う方法があります。
用意するものは、バスタオルのみでOKです。
前太もものトレーニング
- 椅子に座る
- バスタオルを4回ほど折り畳む
- タオルをトレーニングする太ももの下に入れる
- 膝を2秒かけて伸ばし、つま先を自分の体側に引き寄せる
- 10秒キープ
- 2秒かけて戻す
片足を連続10~15回、1日3~5セット
ハムストリングストレーニング
すべてうつぶせで行います。
注意点は、膝の曲げ伸ばしをゆっくりと行うこと。
また、身体を斜めに倒さず、お尻が浮かないように意識しながら行いましょう。
両足トレーニング
- うつぶせになり、両足を揃える
- かかとをお尻につけるイメージで、3秒かけ膝を曲げる
- 3秒かけて戻す
連続10回、1日3セット
裏太もも内側のトレーニング
- うつぶせになる
- 片足のかかとを同じ側の脇腹につけるイメージで、3秒かけ膝を曲げる
- 3秒かけて戻す
片足を連続10回ずつ、1日3セット
裏太もも外側のトレーニング
- うつぶせになる
- 片足のかかとを逆側のお尻につけるイメージで、3秒かけ膝を曲げる
- 3秒かけて曲げ3秒かけて戻る
片足を連続10回ずつ、1日3セット
タオルギャザー
最後に、足の裏を鍛える簡単なトレーニングもご紹介します。
実は、足の裏が安定すると、膝関節への負担を軽減できるのです。
- 膝が直角になるよう椅子に座る
- 足の下にタオルを敷く
- 足の指を動かし、タオルを手前にたぐりよせる
まとめ
変形性膝関節症の対策には、大腿四頭筋とハムストリングスを鍛える運動が大切です。
今回は、特別な道具を使わず、室内で「座って」または「うつぶせで」できる運動のみを紹介しました。
動きが激しくなく、簡単で覚えやすいものばかりですし、時間もそれほどかかりません。
運動不足は膝の痛みの悪化につながる可能性もあるので、「運動が怖い」という人も、ぜひ無理のない範囲から始めてみてください。