「ちょっと最近調子が悪い…」と体の不調を感じた時、「整体」に行くべきなのか「整形外科」に行くべきなのか迷ったことはありませんか?
整体と整形外科は似ているようで、対象にしている疾患や得意な症状、治療の考え方が違います。
ただこの違いについて明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
本記事では、整体と整形外科のそれぞれの特徴や治療の考え方、対象となる症状や疾患、それぞれの施設を選ぶべき状況を詳しく解説します。
もし整体や整形外科、どちらに行けば良いかわからないという方は参考にしていただければ嬉しいです。
整体と整形外科と主な違い
整体と整形外科の大きな違いは、治療の対象と治療法にあります。
整体は、主に慢性的な痛みや不調を抱える方に対し、手技を用いて全身の関節や姿勢の歪みを整えることで治療を行います。
これに対して整形外科は、身体的な損傷や怪我に対し、レントゲンやMRIなどの医学的な診断に基づいた、手術や薬物療法、理学療法などの治療を提供します。
整形外科は交通事故や転倒による外傷や骨折など重症で急性な症状を、整体は長引く関節痛や不調など慢性的な症状を対象にすることが多いです。
ではそれぞれ具体的にどの様なことをするのか詳細を解説していきましょう。
整体とは?
整体は、日本では一般に身体の歪みを整えることによって、健康状態を改善する治療法として知られています。
これには、筋肉や骨格の調整を通じて体のバランスを整えることが含まれます。
整体の考え方は、「膝痛なら膝」、「腰痛なら腰」体の一部の症状を単独で治療するわけではありません。
体全体を見て、その問題を引き起こしている根本的な原因を見つけることを重要視しています。
その根本原因は日常の姿勢に問題があったり、過去に怪我した部分だったり、何気ない生活習慣にあったり様々です。
そういった痛み・不調の根本的な原因を見つけた後に、手技によるアプローチを中心に治療を行います。
整形外科とは?
一方、整形外科は、骨折、脱臼、関節痛、靭帯損傷など、主に骨や筋肉などの疾患に対する医学的なアプローチを行います。
X線やMRIなどの医療機器を用いた診断から始まり、必要に応じて薬物療法、リハビリテーション、手術など、科学的根拠に基づく治療を行います。
整形外科の目的は、損傷した部位の機能を回復することにあり、怪我の治療や再発防止に重点を置いています。
そのため問題を起こしている症状そのものへ直接アプローチを行うことが多いです。
痛みがあるなら痛み止めを、しびれがあるならしびれを緩和する薬を処方しますし、症状が手術適応の場合は、外科的手術を検討する場合もあります。
整体と整形外科の自分に合った選び方
上記の様な特徴のある整体と整形外科ですが、どのように選択するのが良いのでしょうか?
まず整体は、慢性的な痛みや明確な診断名がつきにくい不調の場合に選択するのが良いでしょう。
- 身体の歪みや不調が原因で起こる軽度の筋肉痛
- 慢性的な疲労感やストレスによる身体の不調
- 姿勢不良や体の歪みの解消
上記のような症状の場合、不調がある部分だけの問題ではなく、体の他の部分や、そもそもの生活スタイルに問題がある可能性があります。
そのため全身のバランスを見てアプローチする整体の方を選択すると満足する結果が得やすいです。
一方で整形外科の場合は、交通事故などによる外傷、転倒による骨折など急性期の症状や、生活に支障が出るほどの重篤な症状、レントゲンやMRIなどの検査を受けたい場合に選択するのが良いです。
- スポーツなどでの怪我や交通事故による骨折、脱臼
- 手術を必要とする関節の損傷や疾患
- 歩けないほどの重篤なしびれや痛み
特に上記の様な症状の場合は、整形外科的な介入をしないと後遺症が残る場合もありますので早期に受診して診察を受けてください。
また、どちらを選択するにしても通院する前に、まず自分の求める結果やその条件を明確にしておくことが重要です。
- 今の症状をどこまで良くしたいのか?
- どのくらいの期間で改善させたいのか?
- 手術を提案された場合どうするか?
などを大まかで良いので考えておくと診察や問診時、スムーズに話を進めることができますし、ご自身のご要望に沿った治療方針を決めるのに役立ちます。
加えて1ヶ所だけで決めるのではなく、可能ならば複数の専門家に意見をもらい判断することも検討してみると良いでしょう。
まとめ
今回の記事では整体と整形外科の違いと選び方について解説しました。
基本的には整形外科は医師が常勤しておりレントゲンやMRIなどの詳細な検査ができるため、重症例の場合はこちらが第一選択ではあります。
ただそれだけでは原因がわからなかったり、なかなか症状が解消しない慢性症状の場合は全身のバランスを整える整体のアプローチの方が効果的だったりします。
あなたが症状や目的に応じてご自分に合った治療法を選択されてくださいね。