朝早く目覚めてしまい、二度寝したいのにできない…
そんな早朝覚醒の症状は、更年期障害によって引き起こされているのかもしれません。
更年期を迎えた女性の多くが抱える悩みに「不眠」があります。
不眠というと、「なかなか寝つけない」という入眠障害の症状がパッと思いつきますよね。
ただ不眠症状には、入眠障害のほかにもいくつかの種類があります。
「早朝に目が覚め、再入眠できない」という早朝覚醒も、不眠のひとつ。
今回は更年期と不眠・睡眠の関係についてお伝えします。
更年期障害だと早朝覚醒は起こる?
早朝覚醒とは「普段起きる時間よりも早く起きてしまい、もう一度寝ようと思ってもできない」状態のことです。
明け方に起きてしまい、「寝たい。寝なきゃ」と思いながら時間を過ごすのは、とても辛いですよね。
この早朝覚醒の原因は、更年期障害かもしれません。
「更年期障害による不眠症状は入眠困難や中途覚醒が多い」とか「早朝覚醒はうつ病に多い」などといわれていますが、更年期障害でも早朝覚醒が起きる可能性もあります。
更年期障害では早朝覚醒以外にどんな不眠が起こる?
更年期を迎えた女性の多くが不眠に悩まされます。
不眠の症状としては、早朝覚醒以外に、入眠障害、中途覚醒、熟眠障害などがあります。
これらの睡眠トラブルが1ヶ月以上続き、日中の生活にも支障をきたすようになると不眠症です。
早朝覚醒以外の3つの不眠症状についてご紹介します。
入眠障害
入眠障害は簡単にいうと「寝たいのに、なかなか寝つけない」という症状です。
眠りにつくのに30分~1時間以上かかるのが目安とされています。
更年期は女性ホルモンの低下によって自律神経が乱れるため、なかなか寝つけないのだと考えられています。
さらに更年期は不安を感じやすくなるため、「眠れなかったらどうしよう」と不安になることで、さらに入眠しにくくなっているとも考えられます。
中途覚醒
中途覚醒とは、夜中に何度も目が覚めてしまうこと。一晩に2~3回目が冷めてしまう場合に、中途覚醒とされます。
閉経前と閉経後の中途覚醒の有症率は、閉経前1:閉経後1.3~2.0というデータがあり、中途覚醒は更年期障害で起こりやすい不眠症状だといえます。
更年期の中途覚醒では、「ほてりやのぼせのために起きてしまう」という人も多いです。
熟眠障害
熟眠障害は「十分な時間寝たはずなのに、熟睡した感じがない」という状態です。
家族から「あんなに長い時間寝たのに、まだしんどいの?」などと言われると、辛いですよね。
更年期に熟眠障害が起きる原因としては、更年期障害による「うつ」や、睡眠時無呼吸症候群の影響があると考えられます。
実は更年期の女性は睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高まるのです。
まとめ
更年期には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などさまざまな不眠の症状があらわれます。
いくつかの症状が同時に起こる場合もあり、身体も心も辛くなってしまうことでしょう。
ただ「どうにかして寝ないと」と焦ると、ますます寝られなくなる可能性も。
更年期障害が理由の不眠なら、女性ホルモンの補充(HRT)や、睡眠薬の処方などの治療法があります。睡眠薬に抵抗感を持つ人も多いですが、医師の指示を守って使えば安全ですよ。
不眠には更年期障害以外の病気が潜んでいる場合もあるので、自力でどうにかしようとせず、医療機関を受診して下さい。